裁判員制度を究める


裁判員制度Q&A
Q.法律の専門家ではない一般人が参加して公正な裁判ができるのか?
裁判員が行うのは「事実認定」と「量刑」の判断。事実認定に関しては様々な証拠や証言などを基に、常識的な感覚と照らし合わせて判断するので、専門的知識がなくてもできるといえる。量刑に関しても、必要であれば裁判長が同様の事件の判例を示してくれる。法的な判断は裁判官が行うので裁判の質が落ちる心配はあまりない。様々な人生経験を持つ裁判員の意見をうまく取り入れ、これまでより深みのある評議にできるのかどうかは、蓋を開けてみないと分からないところもある。裁判官がレールを敷きすぎるのも良くないが、裁判員に法的知識を何も与えないのも良くないので、バランスが難しいところだ。

Q.裁判員制度の対象となるのはどんな事件か?
地方裁判所で行われる刑事裁判のうち、一定の重罪事件を扱うもの。殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死、身代金目的誘拐などが該当する。仮に平成18年で見ると、裁判員制度対象事件数は、全刑事事件裁判(第一審)の2.9%にあたる3111件とされている。

Q.裁判員を辞退することはできないのか?
原則として辞退できない。しかし、「70歳以上の人」「地方公共団体の議会議員(会期中に限る)」「学生・生徒」「5年以内に裁判員や検察事務員を務めた人」「重い疾病などで裁判所へ行くのが困難な人」などが辞退事由として定められており、これらに該当すると裁判所から認められれば辞退できる。
単に体力や気力に自信がないというだけでは辞退は難しい。また、仕事が忙しいという理由に関しては、重要な仕事で、その人自身が処理しなければ著しい損害が生じると認められれば辞退できる。自営業者であることなどは考慮要素なるだろう。しかし個別の判断となるため、候補者と裁判所の間でトラブルが起こることは想定できる。辞退の基準の明確化と、各企業の協力が不可欠となる。その他、要介護者がいるなどの理由についても、事情や状況に基づいて個別に判断されることとなる。

Q.裁判員に発生する義務は何か?
 きちんと公判に出席し、公平誠実に職務を行うこと。評議のときに意見を述べること。また、法廷で見聞きしたことは誰かに話しても問題ないが、評議の秘密や、評議以外で裁判員を務めることによって知り得た秘密(事件関係者や裁判員のプライバシーに関する事項)については、守秘義務を負うこととなり、漏らしてはならない。この守秘義務については、公判終了後も守らなくてはならない。自分が裁判員であることについては、公判中に公にしてはならないが、日常生活の中で家族や親しい人に話すことは禁じられていない。また、過去に裁判員であったことを公にすることも禁じられていない。

Q.裁判員は裁判所に何日間行くことになるのか?
 審理日数は事件により異なるが、裁判員裁判では裁判官、検察官、弁護人の三者で公判前整理手続が行わるため、約7割の事件が3日以内に終了すると見込まれている。スピーディな裁判のために可能な限り連日的に開廷されることになっているが、これに関しても、職業などによっては間隔を開けた日程のほうが都合の良い人も多いと考えられるため、難しい問題をはらんでいる。

Q.裁判を迅速化することで誤審が増えてしまわないか?
 公判前整理手続において、事件の争点や適切な証拠、証拠の取り調べ方法などが相談され、入念な準備が行われた上で審理が開始される。したがって、審理が不十分であるがゆえの誤審は生まれないと思われるが、逆に、そのシステムでは裁判員が参加することの意義が薄れてしまうのではないかという懸念の声もある。

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